協働ロボット導入で押さえるべき安全設計 — ISO/TS 15066 を読み解く
協働ロボット(コボット)は安全柵不要で人と並んで作業できるという大きなメリットを持ちますが、その前提となる安全設計には ISO/TS 15066 への適合が欠かせません。本記事では、この規格の中核となる「準静的接触」と「過渡的接触」における圧力・力の閾値を、実務目線で読み解きます。
準静的接触と過渡的接触の違い
ISO/TS 15066 は、人体とロボットの接触を「準静的接触(クランプされた状態)」と「過渡的接触(自由空間での接触)」の2種類に明確に分類しています。前者は人体が固定されている状態、後者は弾性的にエスケープできる状態です。同じ部位でも、許容される力・圧力の閾値は2倍程度異なります。
身体部位別の閾値
規格は29の身体部位それぞれに圧力・力の閾値を定義しています。例えば額・側頭部は最も低い閾値(130 N/cm²)、太もも・腰部は比較的高い閾値(210 N/cm²)です。設計者は接触シナリオを身体部位レベルで明確化し、それぞれに対する評価が必要です。
実務での進め方
FX-CR-25iB のような協働ロボットを導入する際は、まず作業セルのリスクアセスメントを実施し、想定される接触部位と接触モードを洗い出します。次に圧力測定器(KMG など)を使って実機での測定を行い、規格値以下に収まることを確認します。ファナテック工業ではリスクアセスメントから測定までを支援するサービスをご提供しております。
ソフトウェアによる安全機能
FX-CR-25iB は ISO 13849-1 PL=d Cat.3 のセーフティ性能を備え、関節トルクセンサとエンコーダの二重監視により高い安全性能を実現しています。ティーチングモードと自動モードで異なる速度・力制限を設定でき、ハードウェアとソフトウェアの両面で安全を担保できます。